10回シリーズでお送りしてまいりました、「へいわ宣言」。今回が最終回です。
さて、これまでコスタリカのいろんな話をしてまいりましたが、では私たちはどうすればよいのか?という、根源的な問題を考えてみたいと思います。
社会を構成する要素は、大きく言って二つあります。ひとつは人、もうひとつはシステムです。人を作り上げていくのは環境。そしてシステムを作るのは人です。そう考えると、人づくりはシステムづくりであり、社会作りであることが分かります。ただし、システムというものは、人をつくる環境のひとつでもあります。そのため、これら二つの要素を総合的に考える必要があります。
コスタリカでは教育に非常に力を入れてきました。この半世紀以上、コスタリカの国家予算に占める教育費の割合は常に20%以上を保っています。多いときは3割以上が教育費だったこともありました。GDP比6%以上であることが法律で決められており、これはずっと守られています。
現在、日本の教育費はGDP比3%程度だと言われていますが、みどりの会議のマニフェストでは、これを5%まで上げることが盛り込まれています。
ではその財源をどうするのか?「コスタリカ方式」で考えるならば、軍事費を削ることが考えられます。また、日本の財政の独自性を考えると、無駄な公共事業に投入する資金を減らすこともそのひとつでしょう。
軍隊廃止を宣言したホセ・フィゲーレスのお連れ合いで、コスタリカでは国母と呼ばれるカレン・オルセン・デ・フィゲーレスさんは、常に次のようなことをおっしゃいます。
「平和をつくる第一歩は、以下の問いを毎日1回自問自答することです。すなわち、『どんな社会が望ましいと思うか?』『どんな人間が望ましいと思うか?』です」。
それに対しては、ほかの人の意見に惑わされず、自分自身で答えを出さねばなりません。あなた自身は、あなた自身でよいのです。その「あなた自身」を、毎日考えなおし、それを表明し、そしてあなたがよいと思ったことを行動に移す。それを他人の考えや行動と突き合わせることで、ひとつひとつ「へいわ」が作られていきます。
最後に、カレンさんがよく使うもう一つの言葉を皆様に贈ります。
「平和とは、終わりなきたたかいです」
「たたかい」とは、英語で言うとstruggleのことです。戦闘行為を意味するというより、不断の努力と行動を意味します。
「平和」に「完璧」はありません。常になにかしら、私たちは問題を抱えていますし、それがすべて解決されるということはないでしょう。であれば、平和とは、ある状態を指すというよりは、私たちの行動を指すのではないでしょうか。
私たちが平和をつくるということは、常により望ましいと私たちが考える社会や人を作ってゆくよう、常に考え、行動をするということです。それは、難しいこともありますが、誰にでもできることもあります。「私には何もできない」ということはありません。得意なことをやればよいのです。
それぞれが得意なことをやり、できる範囲のことを積み上げていけば、その動きそのものがまさに「平和をつくる」ことを意味するのです。
行動といえば、7月11日に参議院選挙があります。投票することは、難しいことではありません。上記の2つの自問自答をこれから繰り返してゆき、そこで出たそのときの結論を、あなたの一票に託してください。そのあなたの行動は、すでに「平和をつくっている」ことになるのですから。
(text by 足立力也)
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